― 家づくりに常識はない。その土地と相談してから建てるべきだ ―
「家づくりには常識がある」と思っている人は多い。
例えば、「南向きの窓が良い」「四角い家が住みやすい」「道路に面した方に大きな窓を作るべき」などだ。しかし、本当にそれが最適解なのだろうか?
私たちエグセファームは、土地の持つ可能性を最大限に活かし、「常識を捨てる」ことで想像を超えた住まいを提案している。特に、崖地や狭小地、変形地などの希少地(エグセファームが提唱する、一般的には難しいとされる土地の総称)においては、常識にとらわれない発想が求められる。

●土地によって「良い家」は変わる
例えば、「南向きに大きな窓を取るのが正解」と思われがちだが、それは必ずしも正しいとは限らない。そこで福岡と神戸の崖地を例に考えてみよう。
・福岡の崖地は北側に海が広がる
つまり、北に大きな窓を作れば、素晴らしい海の景色を楽しめる。
一方で神戸の崖地は南側に開けているため、南向きに窓を取る方が景観を活かせる。
どちらも「崖地」だが、土地の向きや周辺環境によって、最適な設計は変わるのだ。
さらに、名古屋では「北側の景色が良い」土地も存在する。
かつて名古屋市北部に建てられたマンションでは、南側よりも北側の住戸が先に売れた。
理由は、北側に川が流れ、そこから花火が上がるからだ。
南向きの窓を選んだ住戸の住人は、花火の音は聞こえても景色は見えない。一方、北向きの住戸では家の窓から絶景を楽しめた。
つまり、「南向き=良い」という固定観念にとらわれず、その土地の特性に合わせて設計することが、本当に価値のある住まいづくりにつながる。
●「土地の声を聞く」設計が未来を変える
僕たちは、希少地をただ「設計できる」だけではなく、その土地の価値を最大限に引き出すことを大切にしている。
例えば、交通量の多い南向き道路の土地に家を建てる場合、一般的には南側に大きな窓を作る設計が多い。
しかし、それでは結局カーテンを閉めっぱなしになり、日当たりが良くても景色を楽しめない家になってしまう。
そこで、僕たちはあえて南側の窓をなくし、中庭から光を取り入れる設計を提案した。
その結果、プライバシーを確保しながらも開放感のある明るい住まいが実現した。
また、家と家がひしめき合う都市部でも、ただ四角い家を建てるのではなく、窓の角度を調整することで視界を広げることができる。
例えば、道路に対して真正面に窓を設けるのではなく、斜めに配置することで、より遠くまで視線が抜け、広がりのある空間を作ることができる。
このように、「土地の声を聞く」ことができれば、どんな希少地でも価値ある住まいを生み出すことができる。

●常識を捨てれば、理想の家はもっと広がる
エグセファームの設計思想は、「常識を捨てること」から始まると言ってもよい。
「南向きが良い」「四角い家が住みやすい」という固定観念に縛られず、土地と対話し、その土地にとって最適な形を考えること。
それこそが、エグセファームが目指す家づくりだ。
全国には、まだまだ「価値が低い」と思われている土地がたくさんある。
しかし、それは本当に価値がないのか?もしかすると、その土地ならではの魅力がまだ発見されていないだけかもしれない。
次回は、全国各地の希少地についてさらに深掘りし、それぞれの地域の特性に合わせた設計の可能性を考えていこうと思う。
あなたが「難しい」と思っていた土地も、実は理想の住まいを叶える最高の場所かもしれない。
常識を捨てて、土地と向き合う。
それが、エグセファームの考える「家づくり」の第一歩なのだ。
代表:牧田久義